建売に暮らそう!住まいの知恵袋コラム

〔建売に暮らそう!〕後悔しない建売住宅の購入の仕方ー住まい購入にかかわる知恵袋をハウスメーカーの現役社員がこっそり伝授します!

これが正しい!!ネットで建売住宅を探す(載せる)方法 その2

▼前回の記事(その1)はこちら▼

 

〔 前回のあらすじ〕建売住宅を、ネットで探す人も、ネットに載せる人も、これを読めばスッキリ!?役に立たないゴミ情報の量がネットで増え続けていますが、この本質だけ把握しておけば、検索活動も広告出稿もきっとうまくいきます!良い建売住宅を探そうとする人と、良い建売住宅を提供しようとする業者さんを、上手にマッチングさせていきたいと思います!

 

 

 

〔ポイント〕

 

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1.公式サイトに載せるべき情報は、作り手側の熱い「想い」です。

2.ユーザーはそれに共感すれば「資料請求」をするはずです。

3.書類選考で相思相愛が確認できて初めて「見学予約」です。

4.今すぐ公式サイトを見直しましょう!

 

〔はじめに〕

 

前回の記事のおさらいになりますが、SUUMO・HOMES・athome・Yahoo不動産などのいわゆる不動産ポータルサイトに載せる内容と、公式サイトに載せるべき内容とは、どう違いがあるのか、または、どう違うべきなのか?これはとても大事なお話です。結論としては「違う」ものであるべきだというお話をさせて頂きました。

 

前者の不動産ポータルサイトでは、エンドユーザーの方が「見つけやすい」「比較しやすい」「3つのP(place,price,product)が明確になっている」ことがとても大事です。一方、後者の公式サイトでは、それらの情報はもちろんのこと、載せるべき”もっとも”大事なコンテンツとして物件のコンセプト(作り手の考え・想い・企画した内容等)というものがあります。建売業者として、デベロッパーとして、ビルダーとして、不動産業者として、売主として…どんな立場であれ、商いを目的に商品を世に出す以上は、そこには商品に込めた「想い」があるはずです。エンドユーザーはそれを知りたい、深掘りしたいと願っているのです。そして、そのコンセプトにエンドユーザーが共感したらその時初めて売主側が物件サイト等に求めている「結果」としての「資料請求」が発生するのです。

 

広告文や写真等の掲載内容については、前者においては「簡潔」であることが求められ、後者においては「簡潔」さもそうですがエンドユーザーが数ある物件の中から敢えてその物件を「選ぶ理由となりうる証しが求められます。

 

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具体的にはどのようなものが良いのか?簡単に説明していきましょう!

 

〔公式サイトに何を載せるべきか?〕

 

簡単に例を挙げますと…

ーーーーーーーーーーーーーー

①商品化までのバックグランドストーリー

②他物件との違い・差別化要素

③物件のメリット

ーーーーーーーーーーーーーー

などになります。

 

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残念ながら、世の中に「公式」を名乗って物件掲載をしている分譲物件系のサイトの大半が、これらを掲載していません。おそらく③が多少載っている程度で、その他は不動産ポータルサイトにも記載されている”概要”的なお話が大半でしょう。下手すると、内容も素材も広告文も全く同じで、単に名前だけ「公式サイト」です、とだけうたっているだけだったります。それだけでは、サイトに結果(=資料請求)を求めるのは酷です。③は誰でも思いつくでしょうから、①と②を具体的に説明しましょう。

 

商品化のバックグランドストーリー (コンセプトはNIKEです!)

 

売主として、建売業者として、または販売代理人として販売をしているその物件には、当然のことながら、仕入の過程があったはずです。素地なのか、完成物件だったのかわかりませんが、とにかくその物件を加工する前の状態があったはずです。そこから、開発したり造成したり建築したりをして、商品になっているはずです。物件に興味をもったエンドユーザーは必ずその過程のお話を知りたいものです。というのも、そういうお話は広告掲載物に滅多に載っていないからです。

 

何かないですか?と聞いてよく出る話として、「この物件にはあまり特徴も取柄もない」「単なる売地なのでコンセプトもヘチマもない」「建売業者なのでルーティンで仕入して建てて販売しているだけ」という方もいますが、もしあなたが大学生で企業にエントリーシートを出そうとしているときに、同じことを言いますか?言わないと思います!何か絶対に「ひねり出す」はずです。それが大事です!

 

例えば、なぜその地を選んだのか?これはわかりやすいと思います。他にもたくさん候補地となりえた場所があったでしょうが、そこを商品化する判断をした理由が必ずあるはずです。人気の沿線の急行停車駅の人気駅だったから、安く買えるお話だったから、以前近くで販売したら成功したから、見に行ったときの印象がよかったから…何か必ずあるはずです。自由経済の社会において、建売業者が絶対に買わないといけない土地はありません。必ず、”敢えて”その土地を選んで買っているはずなので、その理由だけでも十分です。

 

また、複数の区画数がある分譲地でしたら、なぜその区画数になったのか、なぜそこにその幅員の道路を新設したのか、土地の形・間口奥行がどのような検討過程を経て最終系に着地したのか、すべてに理由があるものです。設計を担当した人に聞けば必ず根拠となった基準や設定条件があります。それだけも十分です。

 

もっとわかりやすいのを挙げると、土地分譲でも建売団地でも、各画地に価格というものがついているはずで、値に差があるはずです。それには理由があるはずです。それでも結構です。角地だから+100万円です、でもよいです。

 

ひと通りひねり出したら、それを全部書き出してください。そうすると「あるもの」が見えてくると思います。それは、その商品を世に送り出そうとしている会社が組織が体内的に秘めている商品化の「ルール」や「基準」や「価値観」です。中小ビルダーですと、「社長の意向」というところもあるでしょう。それでも結構です。その場合でも、なぜその社長にそのような意向があったのかを整理して、商品化プロセスを説明するのも大切でしょう。

 

物件のコンセプトは?と聞かれると「いえ、特に考えておりません」と皆言うのですが、「商品化のルールを教えてください」というと色々出てきます。その会社の内規(=NIKE)は立派な物件コンセプトになります。

 

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例:駅徒歩10分以内の物件しか基本は買わない!という内規がある建売業者の例

 

コンセプト=「若い共働き世帯の仕事・育児・趣味をサポートする住空間の創造」が社是です。本物件も人気沿線の急行停車駅7分なので、仕入チームとしては、逃す手はないと必死になって手に入れました。通勤に無駄な時間を費やしたくない働き盛りの世帯向けに特化して商品化しました。立地以外にも社是に基づく設計・設備仕様選定をしておりますので、是非一度見学にお越しください。

 

▲公式サイトにこの一文が入っている、入っていないだけでも大きな違いが出ると思います。不動産ポータルサイトは「駅近!」「人気路線!」「急行停車駅!」だけでいいのですが、公式サイトではここまで深掘りしたメッセージが読み取れるとエンドユーザーは共感しやすいのではないでしょうか。

 

差別化要素:他社との違い

 

これも、何かないんですか?と担当者に聞くと「いえ、別に何も意識して差別化していることはありません」という答えが返ってくることが多いのですが、よくよく考えて頂きたいのは、少なくとも土地は二つとして同じものがありません。同じ土地に2つ建物が建てられません。なのでその時点で違いや差があります。それと同様に、砂漠や山奥にポツンと家を建てているわけではないので、必ず近くに競合物件があるはずです。その物件との違いを全部リストアップしてみることです。

 

不動産ポータルサイトで物件を見つけたエンドユーザーというのは、当初から「比較検討」を前提に動いています。比較し合うことで物件の良さを認知しようとしています。住まいを購入するまでに、平均で10物件以上の資料請求をするという統計もあります。なので、バックグランドストーリーやコンセプトだけではささりません。「あっちとはここが違うんですよ」という例示があるとさらに公式サイトは「映え」てくるのです。(ただし、絶対に他社を誹謗中傷してはいけません。)

 

例:ライバル物件の外壁は全部キレイで鮮やかな「白」吹付。こちらは地味な「薄茶色」サイディングという場合

 

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コンセプト=弊社のデザインコンセプトには、「近隣の既存環境に溶け込む、地域と共存する」という明確なルールがあります。その物件単体だけが鮮やかでも、街の景色を壊してしまうようではいけません。極論を言えば、ずっと以前からそこに存在していた?かのうようなものを創り出すのが我々の存在理由です。本物件を見学される際は、そのデザインポリシーも併せてご見学ください。

 

▲いかがでしょうか?2つの物件をWEBや資料請求で見比べるエンドユーザーからすると、いったんは鮮やかな真っ白い建売住宅のほうに目がいくと思いますが、よくよくこういったコンセプトが明確に公式サイトでうたい意識させたうえで、その前提(=眼鏡)で物件見学をすると、まったく異なった印象を与えることができると思います。真っ白な方は、デザインが「確かにきれいだが、周辺住民にしてみればなんでこんなもんが突如現れたんだと思われるような配色かもしれない」と気づいてくれるかもしれませんし、エンドユーザーからすると、そういう視点で物件を見て回るというヒントにもなると思います。

 

ということで、今回は公式サイトに対して、エンドユーザーがどのような情報を深掘りしたがっているのか、また逆に公式サイトを運営する側が、どのような物件コンセプトを開示していったほうが良いのかについて、説明させていただきました。

 

最終回となる「その3」では、エンドユーザーのスムーズな物件選びのために、物件見学前後で売主側がどのような工夫をすべきなのか?について説明させていただきます。

 

 

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